コンプライアンス|ガバナンスへの取り組み

コンプライアンス推進体制
マクセルグループでは、「公正かつ透明な企業活動に徹する」という基本理念の実現のため、また企業倫理・腐敗防止の観点から、グループ内で共通して適用される「マクセルグループ行動規範」を制定し、コンプライアンス体制の強化に常に取り組んでいます。
リスクマネジメント管掌取締役を委員長とするコンプライアンスマネジメント委員会を設置し、定期的に(年2回以上)開催しています。同委員会には委員のほか、代表取締役社長及び常勤監査等委員である取締役もオブザーバーとして毎回出席し、教育を含むコンプライアンス推進活動・企業倫理・腐敗防止活動に関する事項、コンプライアンス違反事件に関する事項などへの対応方針を審議・決定し、活動の結果を報告しています。
また同委員会では主に「競争法違反防止」「贈収賄防止」「反社会的取引防止」の観点から、従業員が日頃から取り組むべきコンプライアンス・プログラムを定め、マクセルグループ内でその実施を徹底しています。
更に、「マクセルグループ行動規範」で定めた倫理基準や、コンプライアンス・プログラムが正しく行われているか、それらの実施状況を確認するために定期監査を行っています。国内の各事業本部とグループ会社は毎年1回、海外グループ会社は2年に1回、現地に赴き各種帳簿を確認するほか、従業員との直接面談を通じて、業務上のeメール内容に関する質問や、競争法違反のきっかけとなり得る競合会社との接触の有無を確認する、といった監査を実施し、従業員のコンプライアンス意識の向上に努めています。
一方、2016年より各事業本部の本部長及び各グループ会社社長を、それぞれのコンプライアンス推進責任者(31名)と定め、同時に各事業本部及び各グループ会社にコンプライアンス推進担当者(全43名)を事務局として配置しています。各コンプライアンス推進責任者は、コンプライアンスマネジメント委員会で決定されたコンプライアンスに関する諸施策を、各々が管掌する事業本部やグループ会社において周知し実施する責任や、従業員にコンプライアンス意識を浸透させコンプライアンス違反を防止するための業務手順を定めるなどの適切な措置を講じる義務を負っています。
以上のようなコンプライアンスマネジメント委員会の活動状況は、マクセルグループのすべての委員会活動を統括するインターナルコントロール委員会を通じて毎年必ず、取締役会の席上で報告しています。

競争法遵守(カルテル防止)
マクセルグループでは、かつて当局に摘発された事実を深く反省し、「カルテル防止」に取り組んでいます。新入社員や新任管理職を対象に、マクセルグループの不祥事事例を紹介し、二度とこのような事件を起こさぬよう集合研修を行うほか、競争法に関する「やってはいけないこと(Don'ts)と やるべきこと(Do's)リスト」を作成して周知するとともに、eラーニングによる研修等を実施しています。
また、競争法遵守に関する基本方針を、「マクセルグループ行動規範」において明示するとともに、2015年にはカルテル・談合などの競争法違反及びその疑いを招く行為を防止することを目的とした「競争法遵守に関する規則」を制定し、国内外グループ各社に適用しています。
マクセルグループ全社の役員・従業員に対し、業界団体や展示会などにおいて競合他社と接触する場合は、事前申請・事後報告を行うよう義務づけ、情報交換の内容をコンプライアンス情報記録ノートに記録しており、万一、問題のある情報交換があった場合には、必要な措置を速やかに講じることとしています。
また、「競争法遵守に関する規則」や上記のコンプライアンスプログラムが遵守されているかについて、全ての国内外グループ各社に対して定期監査を実施しています。監査では、従業員との個別面談、業務上のeメールや情報交換の記録を現地で直接確認することで、規則に反する行為がないかをチェックしており、これからも競争法遵守体制のさらなる強化に向けて取り組んでいきます。
反贈収賄
マクセルグループでは、これまでも公務員または公務員以外の者との関係において、腐敗防止・贈収賄防止に関する取り組みを展開してきました。さらに、2021年10月には、マクセルグループの事業活動に関わるすべての国・地域で適用される贈収賄関連の法規制を遵守し、高い倫理観を持って行動することで社会との公正な関係を維持し続けることを目的として、ファシリテーションペイメントの禁止など8つの具体的行動指針を含む「マクセルグループ贈収賄防止指針」を制定し、国内外グループ会社の全従業員がこの指針の内容をeラーニングなどで学習しました(3,561名受講)。
また、「マクセルグループ贈収賄防止指針」が守られているかについて、全ての国内外グループ各社に対して定期監査を実施しています。監査では、従業員との面談や帳票・帳簿内容を現地で直接確認することで、指針に反する行為がないかチェックしており、これからも贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止に取り組んでいきます。
輸出管理
安全保障貿易管理については、輸出管理委員会が大量破壊兵器・通常兵器への自社製品の転用防止と関連法令遵守のため、正確な該非判定、厳格な用途・需要者審査(キャッチオール規制審査)を行っています。2014年11月には特別一般包括許可* を取得しており、今後も責任ある自己管理に努めていきます。
* 特別一般包括許可:輸出管理社内規程などを経済産業省に提出し、適正な輸出管理業務が行われていると認められた場合に交付され、本来は個別許可が必要な一定の仕向地・品目の組み合わせの輸出を包括的に許可する制度
コンプライアンス・倫理教育の実施
- グループ全従業員(派遣社員、パートタイマーなどを含む)を対象にしたコンプライアンス・倫理教育活動
2009年以来、マクセルグループでは毎年10月を「企業倫理コンプライアンス月間」と定め、マクセルグループの従業員として、誠実で公正な事業の遂行、環境保全、社会や公務員などとの健全な関係確保、人権尊重、パワハラ・セクハラのない良好な職場環境の確保など、世界各地での企業活動の全般において、社会から信頼され模範となる企業になることをめざすため、グローバルに企業倫理コンプライアンス月間の活動を行っています。具体的には、社長のコンプライアンスメッセージの各国現地語での配信、「競争法違反防止」「贈収賄防止」「反社会的取引防止」「インサイダー取引防止」などのテーマについて、eラーニング、職場単位で集まって議論する「職場討論会」、外部講師などを招いての「コンプライアンス講演会」などを実施し、受講記録を残しています。
また、国内外のマクセルグループ全従業員に「コンプライアンスカード」を配布しています。カードに印刷された内部通報連絡先が利用できる(世界中のマクセルグループ従業員が、直接日本のマクセル本社にある内部通報窓口に匿名通報することが可能)ほか、URL(二次元コード)を辿って、スマートフォンなどで各国語版の「マクセルグループ行動規範」を参照することが可能です。 - 階層別教育の一環としてのコンプライアンス教育
新入社員や新たに管理職となる新任課長や部課長職全体に対し、職位に応じたコンプライアンス教育を実施しています。
さらに、経営トップである役員に対しては、弁護士や外部専門家などによる直接講義によりコンプライアンス教育を行っています。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
eラーニング | 6,629 | 7,344 | 6,931 |
倫理月間「職場検討会」 | 3,226 | 3,158 | 3,240 |
階層別研修(部課長、新任課長、新入社員ほか) | 281 | 305 | 557 |
役員向け研修 | 23 | 33 | 12 |
合 計 | 10,159 | 10,840 | 10,740 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
アメリカ地域 | 81 | 74 | 121 |
ヨーロッパ地域 | 114 | 104 | 167 |
アジア地域 | 1,742 | 1,716 | 3,090 |
合 計 | 1,937 | 1,894 | 3,378 |
経営陣から独立した内部通報窓口の設置
マクセルグループでは、内部通報制度としてグループ会社従業員も利用できる「マクセル・コンプライアンス・ヘルプライン」を設置し、違法・不正行為を早期に認識し、組織内の自浄作用能力を高めています。また、コンプライアンス経営の推進を図るため、社内では調査が困難な事案の窓口として、経営陣から独立した外部の弁護士への通報窓口や、海外グループ会社の従業員から各国語(英語、中国語、インドネシア語、マレーシア語、ハングル、ドイツ語、ハンガリー語、日本語)で直接日本のマクセル本社に通報できる専用窓口を設置済みで、グローバルに内部通報制度が浸透しています。さらに内部通報窓口の設置にあたっては、通報したことを理由として通報者が不利益を被ることがないこと、匿名での通報も受け付けること、を繰り返しeラーニングやポスターの掲示等により周知徹底しています。なお、2023年度における内部通報は3件でしたが、重大な法令違反などに関する通報はありませんでした。