「知財のおしごと」知財部座談会

- 1."知財のおしごと"との馴れ初め(座談会メンバープロフィール)
- 2. 権利化が私たちの腕の見せ所
- 3. 知財のプロが育まれる組織
- 4. 国内外のスペシャリストたちとも日常的にやり取り
- 5. 京都と横浜が主な拠点のワークライフバランスが充実した職場
3. 知財のプロが育まれる組織
- 平林:
- 若い人は成長が早くてびっくりしますね。教育を受ける環境が整っていることと、本人が優秀なことの両方でしょうかね。
- 井上:
- マクセルのOJT(On the Job Training)はとても熱心ですよね。2年間という期間を二人三脚でみっちりやってくれて、わからないことはすぐに聞ける環境。聞いていいのかな?と迷うことがなく、気軽に聞けました。1年目はずっと伴走。2年目は少し距離を置き、一通り自分でやってみて、最終確認をしてもらうかたちでした。
- 渡辺:
- 私も今年から新卒新入社員のトレーナーになりました。とても一生懸命やっていて、何でも話してくれるからやりやすいです。井上さんはコロナ禍での入社なので在宅勤務が多かったと思いますが、コミュニケーションはどうしていました?
- 井上:
- 週1回は必ず日にちを合わせて出社していました。オンラインですぐに連絡がとれる環境にしていたので、チャットで「今いいですか?」とすぐに聞ける状態で、コミュニケーションはしっかりとっていましたね。
- 辻:
- 井上さんの様子をみているとOJTトレーナーが苦労したという感じはしなかったけど、OJTが素晴らしいって思えるのは、すごいことですよね。
- 山本:
- 実際の権利化の仕事を通じて得られる学びもありますね。例えば、拒絶理由に書かれていた審査官からの指摘事項や、その対応で得た学びは、次に出願書類を作成するときに反映させます。そうすることで出願の内容が着実にレベルアップしていきます。こういった経験が自分の成長にもつながっています。
- 辻:
- なるほど。あと、判例を読んでこういうことはいけないのかというのも勉強になりますよね。
- 渡辺:
- 京都事業所では判例研究会もやっていますよね。
- 辻:
- 山本さんと渡辺さんは、現在弁理士の資格を取ろうと勉強中と聞いていますが、そのきっかけは?
- 山本:
- 業務で特許法を扱っているにも関わらず、読んだことのない条文があることや、意匠・商標などの特許以外の制度についてはほとんど知らないことに気がついたからです。世間的に知的財産の重要性が高まっており、マネジメントをしっかりしていきましょう、という流れになっています。あとは、知財部で働いている証として弁理士資格を取りたいと考えたのがきっかけです。
- 渡辺:
- 私の場合は、標準必須にかかる評価・判定の業務で外部の弁護士・弁理士とやり取りをさせていただく機会が多いのですが、彼らに対してプロフェッショナルとして恥ずかしくない対応をするために、やはり相当の知財知識が必要になりますので勉強する必要があります。今は、その勉強の一つの到達点として弁理士資格取得を定めています。
- 辻:
- 資格の勉強をするにあたり、会社から補助が出るのはありがたいですよね。
- 渡辺:
- はい。今は補助の制度があるのでそれを利用しました。金銭面だけでなく、諸先輩方が社内ゼミなどの機会を設けてサポートしてくれているので、助かっています。
- 平林:
- 自分の業務の延長で資格を取りたいと思うのはいいですね。今の仕事をよりよくするために勉強するというのは素晴らしいことですね。
- 辻:
- 法改正があると自分で勉強するのは大変ですし、セミナーはダイジェストを的確に教えてくれるので、セミナー受講は会社のためにもいいことだと思います。
- 平林:
- 教育制度がしっかりしている会社は若い人を育てようとしているということだから、それは嬉しいです。
- 辻:
- そうですね。
- 辻:
- 皆さん、今後こういうことをやってみたい、というのはありますか?
- 渡辺:
- 米国訴訟業務の中で、米国弁護士とのやり取りがあるので、流れなどをしっかり学びたいです。
- 井上:
- 私はこれまで新規出願と権利化を中心に行ってきましたが、最近特許活用プロジェクトにも参加し始めました。入社当時は会議に参加していても単語がわからない状態でしたが、改めて学んでいきたいです。
- 山本:
- 井上さんと似ていて、今まで権利化業務を経験してきたので、今後はマクセルが権利にしてきた発明をもとに、ライセンス交渉や訴訟などの業務に関わっていきたいと思っています。
- 平林:
- 担当している業務が広く深く、終わりがないですね。国が変われば制度も変わるので、学ぶことが多いです。まだまだ伸ばせると思っているのでこれからも続けていきたいですね。マクセルはもっといろいろな方との連携を効率的にしたり、増やしていけたりできると思っているので、そこは楽しみです。戦略的にしっかり考えていますよね。