株主・投資家とともに - 株主・投資家との対話の推進 -
当社は、国内外の株主・投資家の皆様とのコミュニケーションを大切にしたIR(インベスター・リレーションズ)活動を強化しています。経営方針や事業戦略、財務・非財務に関する情報などを適時、適切に開示し、建設的な対話を重ねることで当社グループに対する理解を深めていただき、長期的な信頼関係の構築をめざしています。また、当社は株主・投資家の皆様との積極的な対話を推進するとともに、対話によって得られた株主・投資家の皆様の関心事項や意見について経営陣や各事業部門責任者などと共有し、経営に反映していくことが重要であると考えています。併せて、株主・投資家の皆様の保護や健全な株式市場の形成に貢献するため、インサイダー取引の防止に努めています。
IR基本方針
当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、コーポレートガバナンス・ガイドラインに株主・投資家の皆様との対話に関する基本方針を定めています。また、当社はIR担当部門としてコーポレート・コミュニケーション本部 広報・IR部を設置し、関連部門との有機的な連携のもと、株主・投資家の皆様や株式市場関係者との建設的な対話の促進と企業価値・ブランド価値の向上を図っています。
株主・投資家との双方向の対話
説明会・ミーティングを通じた直接対話
当社は、株主・投資家の皆様向けの各種IRイベントの開催などIR活動に積極的に取り組んでいます。四半期ごとの決算説明会に加え、中期経営計画説明会やスモールミーティング、証券会社主催のIRカンファレンスや個人投資家向け会社説明会への参加、また経営陣及びIR部門による国内外の機関投資家・アナリストとの面談を随時行い、建設的な対話の充実に努めています。また、株主総会に向けた国内機関投資家など主な株主との対話(SR(Shareholder Relations)活動)には、IR部門、法務部門に加え、2022年からはサステナビリティ推進部門、人事・総務部門も参加し、より充実した対話を行っています。
経営陣等と株主・投資家との対話の推進状況
当社は、四半期ごとの決算説明会では取締役社長がスピーカーとして自ら説明しており、事業説明会や中期経営計画説明会では他の取締役や各事業部門責任者などの経営陣も事業戦略や財務戦略などの説明を行っています。また、国内外の株主・機関投資家と経営陣の1on1ミーティング及びスモールミーティング、SRミーティングを実施するなど、積極的な対話を推進しています。経営陣が参加する1on1ミーティングでは社長や財務統括取締役が建設的な対話を実施しています。2023年度は東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」要請に対する会社の考え方や、事業戦略、ポートフォリオ経営、財務戦略などが主な対話の内容であり、株主・機関投資家の関心事項について説明を行い理解向上に努めています。
対話形式・イベント | 2023年度 実績 | ||
合 計 | 経営陣参加 | ||
機関投資家等との1on1ミーティング | 232回 | 143回 | |
国内機関投資家との1on1ミーティング | 168回 | 89回 | |
海外機関投資家との1on1ミーティング ( ):海外ロードショー実績 |
64回 (25回) |
49回 (25回) |
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SRミーティング(※2) | 11回 | 4回 | |
決算説明会・事業説明会(アナリスト・機関投資家向け) | 5回 | 5回 | |
会社紹介等スモールミーティング | 2回 | 2回 | |
個人投資家向け説明会 | 1回 | 1回 |
(※2) SRミーティング:ESG全般に関する意見交換を2018年より継続的に実施
事業戦略 | 成長事業についての戦略 全固体電池をはじめとする新事業の開発状況 原材料価格高騰への対応策 次期中期経営計画についての考え方 知財戦略について |
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ポートフォリオ経営 | 事業ポートフォリオ経営の進捗及び今後の方向性 財務規律(ABC-XYZ:事業別損益管理)による事業の新陳代謝の進捗 アナログコア技術に立脚した事業への集中 収益性改善に向けた低収益事業への対応 |
事業改革 | ライフソリューションセグメントの今後の成長戦略 ポートフォリオ経営強化に向けた今後の事業改革計画 |
財務戦略 | 財務規律によるポートフォリオ経営強化の進捗状況 資本政策の考え方及び今後の方向性 株主還元に対する考え方 成長事業及び新事業への投資計画 |
サステナビリティ | CO2削減など環境価値創出の進捗状況 人的資本強化に向けた取り組み マテリアリティのKPIの進捗について |
資本コストや株価を意識した経営の実現について | PBR1.0倍超に向けた施策について 資本効率向上に向けた対応策 資本コストを上回る収益創出に向けた戦略 効率的な経営に向けた財務戦略の方向性 |
各種IRツールによる情報発信、英文開示の充実
当社グループは、統合報告書や事業報告書、決算説明会資料など各種IRツールを通じて、株主・投資家の皆様とのコミュニケーションに積極的に取り組んでいます。また、フェアディスクロージャーに配慮し、常に新しい情報を発信するとともに国内外での情報に差が生じないよう、決算短信や経営上重要な決定事実や発生事実の適時開示資料、統合報告書については、当社ウェブサイトと東京証券取引所のウェブサイトに和文とともに英文でも公開しています。また、決算説明会や事業説明会、中期経営計画説明会などの英文説明資料も当社ウェブサイトに掲載しています。株主・投資家の皆様の中長期的な視点による関心事項なども踏まえ、これらの情報発信をさらに強化していきます。
株主・投資家の意見の経営への反映
株主・投資家の意見を反映する仕組み
対話により把握した株主・投資家の皆様の意見、関心・懸念事項などについては、その内容に応じて当社の経営陣にタイムリーに共有しています。また、市場や技術の動向など、当社の事業に関連する情報については、当社グループ内の関連部門に適宜フィードバックし、事業活動に役立てています。
また、2018年度より経営陣・管理職向けに各種勉強会を実施しており、これまで専門家や他社のサステナビリティ戦略の責任者を招いたSDGsの最新動向に関する勉強会や当社グループの事業との関連が大きい自動車市場・半導体市場などに関する勉強会を実施しています。今後も、株主・投資家の皆様も含めた資本市場の意見や動向を広く当社グループ全体で共有し、事業戦略や資本政策に活かしていきます。
フィードバック形式 | 主な報告内容 | 改善事例 | |
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・取締役・事業部門責任者へのIRレポート発行 ・取締役へのIR報告 報告回数:4回/年間 |
株主・株式市場の状況及び投資家の注目ポイント | 経営方針 | 経営の基本方針の再定義 |
事業戦略 | ポートフォリオ戦略策定・不採算事業への対応 中期経営計画の方向性 企業価値向上に向けた収益性向上の戦略策定 |
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財務戦略 | 資本コストを意識した経営の推進(ROICの導入) 効率的な経営に向けた財務戦略の策定 |
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・取締役へのSR報告 報告回数:1回/年間 |
ESGに関する投資家からの指摘事項 | 財務戦略 | 政策保有株式の方針明確化 |
ガバナンス | スキルマトリックスの開示及び開示方法の改善 役員報酬の評価項目の見直し |
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サステナビリティ | 環境活動に対する意識向上と対応策の推進 カーボンニュートラル宣言 ESG外部評価の向上 |
株主への利益還元
当社は、株主の皆様への還元、足元の短期的な投資、中長期的な事業展開を見据えた成長投資の3つをバランス良く実施することを利益配分の基本方針としています。株主の皆様への直接の還元は、継続的で安定的な配当の実施を基本方針としており、普通配当については配当性向30%~40%を目安として、中間と期末の年2回の配当を行うこととしています。
2023年度は、半導体製造装置市場の低迷や一部地域の経済停滞、電動力費の高騰などが影響し、厳しい状況下ではありましたが、原価低減や製品ミックスの改善、販売価格の適正化、事業改革による固定費削減により利益を確保できたことで、1株あたり中間20円・期末30円(年間合計50円)の配当(増配)を実施しました。
また、2024年度から2026年度までの中期経営計画MEX26の期間中は、総還元性向を100%以上を目安とした株主還元の強化による企業価値の向上を図ることとしています。
今後も財務規律の徹底により成長事業を見極め、事業ポートフォリオを継続して見直すことで事業の新陳代謝を図るとともに、設備投資などについても成長事業の強化や将来の新規事業創出に集中していくことにより当社グループ全体の収益性を高め、より高いレベルの株主還元の実現をめざします。
インサイダー取引防止の徹底
当社グループは、株主・投資家の皆様の保護と健全な株式市場の形成に貢献するため、当社グループの役員及び社員などによる
インサイダー情報の管理とインサイダー取引の防止に関する規則を定め、インサイダー取引を未然に防止することを徹底しています。