CO2排出量

 マテリアリティのアクションプラン「省資源・省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入促進」については、KPIとしてCO2排出量2030年度50%以上削減(2013年度比)を設定して推進しています。具体的施策としては、マクセルグループでは工場省エネ活動として電力消費パターンの見える化によりムダな電力の削減、設備のデマンド管理による効率運転、空調の更新、LED照明への更新、グリーンカーテンの設置などの節電に取り組んでいます。2022年度は再生可能エネルギーの自家消費に関しては、小淵沢事業所に加えて、京都事業所と小野事業所で自家消費型太陽光発電を開始しました。2023年度は京都事業所で256MWhを発電、小野事業所で734MWhを発電しました。
また、2022年度から非化石証書を購入しました。これらの施策によって、KPIである「再エネ比率2030年度10%」については、2022年度に10%を超えて、目標を達成しました。よって新たなKPIとして「再エネ比率2030年度15%」を目標として設定しました。
 国内の2023年度のCO2排出量は前年度比11%の増加、海外については7%の減少となり、マクセルグループ全体で3%の増加となりました(2013年度比で42%減)。国内で増加した理由は、契約している主な電力会社のCO2排出係数が大きく悪化したためです。今後も省エネ活動による電力削減、自家消費型太陽光発電の導入、非化石証書比率の向上は継続的に実施する予定です。小野事業所では自家消費とは別に売電のために太陽光発電を行っており、2023年度に1,382MWhを発電し、地球温暖化防止に貢献しています。

CO2 排出量 emissions Scope1 Scope2
(単位:kt-CO2/年度)
国 内 2019 2020 2021 2022 2023
Scope1 23.5 21.7 20.3 20.9 19.6
Scope2 42.7 40.4 46.5 28.4 35.0
合 計 66.2 62.1 66.8 49.3 54.7
海 外 2019 2020 2021 2022 2023
Scope1 1.0 1.0 1.1 1.0 0.9
Scope2 38.5 38.5 36.8 36.4 34.0
合 計 39.5 39.5 37.9 37.4 34.9
※データ対象範囲:マクセルグループ全体の値
Scope3を含めたCO2排出量削減

 マクセルグループでは、Scope3を含めたサプライチェーン全体でのCO2排出量を算出しています。Scope3とはScope1、2以外の間接排出で、排出量算出においては、環境省及び経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に従い、実績を2018年度から集計し、開示しています。

(単位:kt-CO2/年度)
Scope3 2019 2020 2021 2022 2023
1.購入した物品・サービス 191.6 190.4 194.6 155.0 218.5
2.資本財 22.9 40.5 10.9 13.2 19.1
3.Scope1,2 に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 8.1 7.4 11.0 11.1 14.1
4.輸送、配送(上流) 2.1 1.9 3.7 3.5 11.1
5.事業活動から出る廃棄物 1.0 0.9 1.0 1.0 4.1
6.出張 1.6 0.9 0.7 1.0 1.3
7.通勤 1.6 1.4 1.4 1.3 2.0
8.リース資産(上流) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
9.輸送、配送(下流) 1.8 1.5 0.0 0.0 0.0
10.販売した製品の加工 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
11.販売した製品の使用 374.5 423.5 39.2 3.8 5.2
12.販売した製品の廃棄 48.6 43.6 45.5 38.4 36.4
13.リース資産(下流) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
14.フランチャイズ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
15.投資 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
Scope3 2019 2020 2021 2022 2023
合 計 653.9 712.0 308.0 228.3 311.7
※データ対象範囲:2022年度まではマクセル、マクセルフロンティアの値、2023年度からはマクセルグループ全体の値
(単位:kt-CO2/年度)

 

生産高輸送エネルギー原単位

 マクセルグループでは、さまざまな製品を取り扱っていることから、生産高に基づく輸送エネルギーの
原単位を製造拠点ごとに把握しています。2023年度の全拠点合算は、前年度比で7%の減少となりました。

年 度 生産高(百万円) 使用料(万トンキロ) 原単位(トンキロ/百万円)
2020 60,112 910 151
2021 58,186 1,014 174
2022 51,919 958 184
2023 53,008 903 170
※データ対象範囲:マクセル単体

廃棄物の削減・循環的な利用

 マテリアリティのアクションプランにある省資源については、昨今、環境課題として廃プラスチック対策が重視されていることを受け、ケミカル・マテリアルリサイクルについて検討しています。
 またマクセルグループでは、「ゼロエミッション*1」を実現するために、廃棄物の分別徹底のほか、各事業所での情報共有による有価物化促進や社内での中間処理の拡充などを徹底しています。例えばリチウムイオン電池製造工程では、工程ごとに発生した端材などを分別し、リサイクル会社を通して、レアメタルであるコバルト、銅、アルミなどの金属をリサイクルしています(2023年度20t)。小野事業所では酸化銀のリサイクルも実施しています(2023年度1.7t)。国内の2023年度の廃棄物有価物発生量は、前年度比3%減少となりました。リサイクルの取り組みを強化した結果、国内製造拠点において23年連続でゼロエミッションを達成しました。
 *1 ゼロエミッションの基準(事業所ごとの判定基準):廃棄物最終処分量5t 未満/年、かつ最終処分率1%未満/年

廃棄物などの状況
廃棄物 生産高原単位 Situation of wastes, etc
(単位:t/年度)
国 内 2019 2020 2021 2022 2023
リサイクル 3,559 3,109 2,959 3,679 3,534
中間処理 3,926 3,552 3,456 3,383 3,095
最終処分 4 4 3 2 3
総排出量 5,666 4,964 4,975 4,594 4,291
海 外 2019 2020 2021 2022 2023
リサイクル 1014 1036 790 604 662
最終処分 290 203 251 199 238
総排出量 1434 1234 1234 1042 1161
※データ対象範囲:マクセルグループ全体の値
特定有害廃棄物の発生量
(単位:t/年度)
特定有害産業廃棄物 2019 2020 2021 2022 2023
PCB 1.5 1.4 0.0 0.0 36.0
※データ対象範囲:マクセルグループ全体の値

水使用量削減の取り組み

 マクセルグループでは、製造工程での水使用量削減に努めているほか、一度使用した水を再利用するなど、水資源の保全に努めています。例えば京都事業所では、2019年度からリチウムイオン電池の電極増産に伴う蒸気使用量増加に合わせて、ドレン水を100%回収再利用できるシステムに改造しました。これにより年間40km3の節水を達成しました。国内グループ事業所では前年度比2%減、特に水リスク *2 の高い海外グループ事業所で4%増、マクセルグループ全体では前年度比1%減となりました。
 *2 WRI Aqueduct 水リスク評価

水使用量 Water consumption 水生産高原単位
水使用量(取水量、排水量)
(単位:Km3/年度)
取水量(投入量)国内 2019 2020 2021 2022 2023
上水道     203 198 218
工業用水     48 35 29
地下水     513 398 371
雨水     0 0 0
総投入量 737 693 764 631 619
取水量(投入量)海外 2019 2020 2021 2022 2023
上水道     172 158 161
工業用水     13 14 18
地下水     0 0 0
雨水     0 0 0
総投入量 181 150 186 172 178
排水量 国内 2019 2020 2021 2022 2023
公共用水     157 132 147
下水道     582 480 461
総排水量 695 662 739 612 609
排水量 海外 2019 2020 2021 2022 2023
公共用水     0 0 0
下水道     181 167 173
総排水量 181 150 181 167 173
※データ対象範囲:2020年度まではマクセル、マクセルフロンティアの値、2021年度からはマクセルグループ全体の値
水ストレス地域での事業活動

 マクセルの海外グループ工場は中国(3拠点)、マレーシア(1拠点)、インドネシア(1拠点)に在り、その5拠点はAqueduct水リスク評価によると、ベースライン水ストレス、洪水リスク等で国内の水リスクと比較して、所在地の水リスクが高い状況にあります。
そのため海外グループ工場は水使用量の原単位目標を毎年掲げ、削減に取り組んでいます。

生産時の化学物質管理

 マクセルグループでは、製造工程での化学物質取扱量、排出量、移動量等を把握管理し、削減に努めています。

(単位:t/年度)
    2019 2020 2021 2022 2023
PRTR法
物質
PRTR物質の取扱量(国内) 1,395 1,295 1,480 1,403 1,622
PRTR物質の排出量(国内) 82 81 98 80 72
PRTR物質の移動量(国内) 202 169 192 154 157
揮発性
有機化合物
VOC大気排出量(国内) 136 131 131 95 130
VOC大気排出量(海外) 22 14 10 21 21
大気汚染
物質
SOx排出量 0.4 0.7 0.2 0.2 0.6
NOx排出量 16.0 19.2 10.7 10.9 9.7
水質汚染
物質
BOD排出量 12.0 10.4 11.6 10.1 7.4
COD排出量 1.5 1.4 1.6 2.0 0.9
※データ対象範囲:マクセル、マクセルフロンティア   ※2023年度PRTR法改正あり

会計年度における環境関連の罰金・処罰額

 2017年、中国工場にて排水汚染物質濃度基準オーバーの行政指導を受け、罰金を科せられましたが、排水処理設備を導入しその後問題は起きていません。この反省から、十分な体制で対策を図り、現在まで法令違反は起こしていません。

(年度)
環境に関する違反 単 位 2019 2020 2021 2022 2023
違反事例(罰金1万$以上) 0 0 0 0 0
罰金事例(罰金1万$以上) 0 0 0 0 0
年度末の環境債務額 0 0 0 0 0
※データ対象範囲:マクセルグループ全体の値

ISO14001認証取得状況

(年度)
ISO14001取得率 単 位 2019 2020 2021 2022 2023
マクセルグループ生産及び営業拠点 57% 56% 56% 56% 52%
※データ対象範囲:マクセルグループ全体の値   ※2023年度国内営業所統合等により取得率低下