SCM(サプライチェーンマネジメント)
調達パートナーと共に成長する調達
マクセルグループは、調達パートナーを単なる取引先ではなく、共に価値を創造し、持続的な成長を実現する重要なパートナーと位置づけています。市場環境の変化や地政学リスク、原材料市況の変動、サステナビリティへの要請が高まる中、公平・公正で透明性の高い取引を通じて相互の信頼関係を構築し、強靭なサプライチェーンの実現に取り組んでいきます。
また、オープンドアの考え方のもと、国内外の幅広い調達パートナーとの対話を重視し、品質・コスト・納期に加え、技術力や環境・人権への取り組みなど、多面的な視点から共創活動を推進しています。責任ある鉱物調達やサステナブル調達、人権デューデリジェンスなどの取り組みを通じて、社会的責任を果たしながら企業価値の向上をめざします。
このような取り組みを通じて、調達パートナーとの協業を深化させ、互いの強みを活かしながら、安定供給と競争力強化、そして持続可能な社会の実現に貢献していきます。変化の激しい時代においても、共に課題を乗り越え、共に成長し続けるサプライチェーンの構築を目指します。
全社経営基本方針であるMVVSSに基づき、調達活動の取り組みを「調達活動3本柱」として改めて整理しました。
市場環境の変化に対応しながら、調達パートナーとの協業により、この調達方針に沿った活動を推進することで成果を上げていきます。

活動
ROIC経営に連動した調達活動の推進
機種別損益改善プロジェクト (PIPJ) や事業別損益管理(ABC-XYZ管理)と連携した調達施策を推進しています。具体的には不採算製品の対策・改善活動として、原価企画エンジニアリング、グローバル調達活動を強化しています。
また、調達パートナーとの共同原価低減活動や新たな提案(独自技術、先行開発、新素材など)をいただくことで、共創共栄となる活動につなげていきます。
材料費管理による製品競争力の強化
製品分野別の材料費における予算実績管理を徹底し、製品競争力の強化を図っていきます。
具体的には、調達SCM部を中心にマクセルグループ一体となって関連部署と連携し、マーケット動向の予測・分析を踏まえながら、
調達パートナーが持つ付加価値や改善提案、新たな着想を取り入れ、コスト目標の達成に向けた施策を展開していきます。
また、従来は事業部門ごとに調達していた間接材および共通品については、全社的な集約・一元化を推進し、業務の効率化とガバナンス強化に継続して努めています。
サステナブル調達の推進
マクセルグループでは、「サプライチェーンCSR調達ガイドライン」に基づき、サプライチェーン全体にわたるCSR調達活動を推進しています。企業に求められる社会的責任が変化する中、2020年1月にはSDGsへの貢献を基軸としたガイドラインへ改定し、人権の尊重、環境への配慮、公正な取引などの取り組みを調達パートナーの皆さまとともに推進しています。
さらに、2021年6月からは国連グローバル・コンパクトのサプライチェーン分科会に参加し、先行企業の活動を参考にしながら、サプライチェーン全体で社会的責任を果たすための取り組みのさらなる向上に努めています。
調達BCPの取り組み
マクセルグループでは、危機事象*1 が発生しても調達業務を継続し、当社事業および社会への影響を最小限に抑えることを目的に、グループ全体で調達BCPの充実に取り組んでいます。発生時のインパクトを最小限にとどめるため、標準化・汎用品の活用、マルチベンダー化、生産拠点の分散や相互補完、在庫の確保、代替品の確保といった施策を推進しています。あわせて、一次サプライヤーに加え可能な限り二次以降を含むサプライチェーン情報を整備し、重要部品や一社依存部材の供給上のボトルネックを把握することで、有事に備えた体制を整えています。
*1 自然災害やインフラ障害など事業の中断リスクを生じさせる事象。

パートナーシップ構築宣言への賛同表明
マクセルは、「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」により導入され、内閣府、中小企業庁などが推進する「パートナーシップ構築宣言」の趣旨に賛同し、宣言を公表しました。マクセルグループは、今後も引き続き適正取引に関するルールを遵守し、お取引先様や価値創造を図る事業者の皆さまと新たなパートナーシップの構築に積極的に取り組んでいきます。
「ホワイト物流」推進運動への賛同表明
日本において、深刻な状況が続く運輸・物流業界のドライバー不足に対応するために、物流の安定とともに、日本経済の成長への寄与を目的とした「ホワイト物流」推進運動が2019年から始まりました。当社では、持続的成長とコンプライアンス及びESGの観点から、物流改善を経営課題の一つと捉え同運動の趣旨に賛同表明し参加しています。
現在取り組んでいる輸送方法の改善に加えて、出荷に合わせた生産・荷造り等を行い荷待ち時間の短縮、荷主として幅を持たせた到着時間を認めるなど十分なリードタイムを確保し、ドライバーの労働環境改善や物流の生産性向上に継続的に取り組みます。今後も企業の社会的責任を果たすべくサプライチェーン全体の効率化を推進します。
コンプライアンスの強化
コンプライアンスについては社内への遵法教育を継続して実施し、調達パートナーとの取引適正化に努めています。
調達機能の変革
調達を取り巻く環境が急速に変化するなか、当社では統合基幹システムの全拠点展開や電子発注・ペーパーレス化を進め、調達業務プロセスの標準化・効率化に取り組んでいます。あわせて調達データの可視化・活用基盤を整備し、変化に迅速かつ柔軟に対応できる調達機能への変革を推進しています。
サステナブル調達の推進
方針
マクセルグループでは「サプライチェーンCSR調達ガイドライン」に基づき、サプライチェーン全体にわたりCSR調達を推進しています。調達パートナーの皆さまとともに、人権の尊重、環境への配慮、公正な取引などに関する取り組みを推進し、サプライチェーン全体で社会的責任を果たしていけるよう努めてまいります。
サステナブル調達マネジメント・体制・制度
マクセルグループは、サプライチェーン全体で社会的責任を果たしていくために、サステナブル調達についてグループ全体で連携し活動しています。目標・活動計画は、調達企画課を事務局に、グループ会社の調達部門メンバーからなるグループ横断の「調達リスク管理分科会」にて協議し、グループ全体に周知・徹底を行い実行しています。

CSR調達セルフアセスメント
マクセルグループサプライチェーンCSR調達ガイドラインの遵守状況について、調達パートナーに対して、RBA(Responsible Business Alliance)行動規範に準じた「労働(人権)」「安全衛生」「環境」「倫理」「マネジメントシステム」と、当社の独自項目である「品質・情報セキュリティ」を評価項目とした質問票(SAQ:Self-Assessment Questionnaire)を用いて、遵守状況の把握と改善に取り組んでいます。SAQの評価結果においてDランク・Cランクとなった調達パートナーに対しては、監査の実施や改善要望書の発行を通じて課題を明確化し、改善に向けたフォローアップを行います。あわせて、是正状況を継続的に確認し、その結果を次回以降のSAQおよび評価に反映することで、サプライチェーン全体におけるCSR遵守状況の向上につなげてまいります。

| SAQ実施対象 |
| 1. 直接材 | 原材料で、グループ調達額の80%を占める調達パートナー |
| 2. その他 *2 | 製造拠点に常駐する調達パートナー 設備・装置など、定期的に取引のある調達パートナー |
*2 上記の区分から、グループ会社を含めた調達額に応じて、選定しています。
| SAQ設問構成 |
| 区分 | 設問数 |
| 1. 労働 | 23 |
| 2. 安全衛生 | 22 |
| 3. 環境 | 18 |
| 4. 倫理 | 15 |
| 5. 品質・情報セキュリティ | 9 |
| 6. マネジメントシステム *3 | 19 |
| 合計 | 106 |
*3 マネジメントシステム評価と先住民の保護についても設問に含まれております
目標
2027年度までに対象サプライヤーをBグレード以上にする
CSR調達セルフアセスメント結果
2025年度は、381社から回答を取得しました。評価結果ではDグレードの該当はなく、Cグレードは全体の18%にとなりました。該当企業には個別にフィードバックし、改善計画の策定・実施を依頼しています。今後は、マクセルグループの人権デューディリジェンスの取り組みをサプライチェーン全体へと拡大し、調達パートナーと協働しながら、持続可能で責任ある調達を実現していきます。
実施内容の概要
・該当企業様へ個別に連絡し、評価内容のフィードバックを実施
・改善要望書の提出を依頼し、各社にて改善計画を策定・実施
| セルフアセスメント評価ランク |
| ランク/評価基準 | 評価 | 対応 |
| A (ローリスク) 85%以上 |
CSR調達ガイドラインが求める水準の取り組みが定着しています。 | ・現在の水準を維持していただくようお願いします。 |
| B (ミドルリスク) 65~84% |
一部の項目で、ガイドラインが求める水準に達していません。 | ・是正依頼・改善支援を行っております。 |
| C (ハイリスク) 50~64% |
複数の項目で、ガイドラインが求める水準に達していません。 | ・不適合項目の是正をご依頼します。 ・改善が必要な項目について、改善のための行動計画を作成いただきます。 ・行動計画に基づき、改善状況を確認します。 ・必要に応じて、改善を支援します。 |
| D (重大リスク) 49%以下 |
多くの項目で、ガイドラインが求める水準に達していません。 | ・不適合項目の是正をご依頼します。 ・改善が必要な項目について、改善のための行動計画を作成いただきます。 ・行動計画に基づき改善状況を確認し、改善を支援します。 ・改善要望にご対応いただけない場合や、一定期間を経ても課題が解決されない場合は、今後のお取引について再検討させていただきます。 |
| CSRセルフアセスメント実績 |
| 2025年度 | |
| グレード | 社数 |
| A | 201 |
| B | 111 |
| C | 69 |
| D | - |
| 計 | 381 |
人権尊重への取り組み
マクセルグループは、国際的な人権基準に基づき、「マクセルグループ 人権方針」を策定し、すべての事業活動において人権の尊重を基本としています。また、人権デューディリジェンス(人権に関するリスクの特定・評価・是正)を段階的に実施し、従業員や関係者の人権が侵害されることのないよう、継続的なモニタリングと改善に取り組んでいます。今後はこうした人権尊重の取り組みをサプライチェーン全体へと広げ、調達パートナーと連携しながら、より責任ある調達体制の構築を目指してまいります。
責任ある鉱物調達
マクセルグループは、紛争地域及び高リスク地域で採掘される鉱物(3TG:スズ・タンタル・タングステン・金、ならびにコバルト・マイカ)について、OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスに基づき、RMIが提供する調査帳票CMRT、EMRTを使用し調査を実施して、サプライチェーンの透明性確保とリスク評価を実施しています。
調査結果に基づき、認証未取得の製錬所が使用されている場合は認証取得済み製錬所への切り替えを要請し、高リスク製錬所の使用回避を推奨しています。これらの取り組みを通じて、サプライチェーン全体における責任ある鉱物調達の実効性を高めるとともに、認証取得製錬所の使用比率向上をめざします。
今後の展望とお願い
マクセルグループは、サプライチェーン全体における人権尊重・環境配慮・倫理的調達の実現に向けて、継続的な改善と協働を進めてまいります。調達パートナーの皆さまにおかれましても、当社の方針をご理解いただき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みにご協力を賜りますようお願い申し上げます。





