ビジョン・基本方針

原材料・部品、間接材、設備等の調達先、製品の生産委託先、物流委託先であるお取引先様は、事業活動に不可欠であると同時に、ともに社会への責任を果たしていくパートナーでもあります。マクセルグループは、こうした認識のもと、お取引先様と一体となったCSR活動を展開し、各事業活動への期待や要請に誠実に応える活動を実践していきます。

重点施策

調達活動3本柱

 全社経営基本方針であるMVVSSに基づき、調達活動の取り組みを「調達活動3本柱」として改めて整理しました。
市場環境の変化に対応しながら、お取引先様との協業により、この調達方針に沿った活動を推進することで成果を上げていきます。

 重点施策の概要

調達活動 3本柱

活動

ROIC経営に連動した調達活動の推進

 機種別損益改善プロジェクト (PIPJ) 、事業別損益管理(ABC-XYZ管理)と連携した調達施策を推進します。
 具体的には不採算製品の対策・改善活動として、原価企画エンジニアリング、グローバル調達活動を強化しています。
また、お取引先様との共同原価低減活動やより新しい提案(独自技術、先行開発、新素材など)をいただくことで、共創共栄となる活動につなげていきます。

ROIC経営に連動した調達活動の推進

材料費管理による製品競争力の強化

 製品分野別の材料費における予実算管理により製品競争力を強化していきます。
 具体的には、コーポレート調達と事業本部の調達及び関連部署との連携した活動により、マーケット動向を予測分析しながら、お取引先様が持つ付加価値、改善や新たな着想を取り入れ、コスト目標に対して対策していきます。また、事業部門が独自に調達していた間接材及び共通品について、調達本部への集約一元化を推進し、業務合理化に継続して努めています。

材料費管理による製品競争力の強化

サステナブル調達の推進

CSR調達の推進

 2020年改定のCSR調達ガイドラインに基づくサプライチェーンCSR調達活動を推進しています。2021年6月より国連グローバル・コンパクトのサプライチェーン分科会に参加し、先行企業の活動を参考にさらなるレベルアップに努めています。

BCP (Business continuity planning) の強化

 自然災害や原料価格の高騰、電子デバイス不足など調達リスクが高まっており、お取引先様BCP管理の強化を進めています。
2021年度から海外グループ会社にもBCP調査を展開しています。

コンプライアンスの強化

 コンプライアンスについては社内への遵法教育を継続して実施し、お取引先様との取引適正化に努めています。

「ホワイト物流」推進運動への賛同表明

 日本において、深刻な状況が続く運輸・物流業界のドライバー不足に対応するために、物流の安定とともに、日本経済の成長への寄与を目的とした「ホワイト物流」推進運動が2019年から始まりました。当社では、持続的成長とコンプライアンス及びESGの観点から、物流改善を経営課題の一つと捉え同運動の趣旨に賛同表明し参加しています。
 現在取り組んでいる輸送方法の改善に加えて、出荷に合わせた生産・荷造り等を行い荷待ち時間の短縮、荷主として幅を持たせた到着時間を認めるなど十分なリードタイムを確保し、ドライバーの労働環境改善や物流の生産性向上に継続的に取り組みます。今後も企業の社会的責任を果たすべくサプライチェーン全体の効率化を推進します。

CSR調達の推進

方針

 マクセルグループでは「サプライチェーンCSR調達ガイドライン」に基づき、サプライチェーン全体にわたり、CSR調達を推進しています。
 企業に対するCSRの要請は日々変化しており、これに対応すべく、2020年1月にSDGsへの貢献を基軸としたガイドラインに改定を行いました。これまでもお取引先様にはCSR活動の推進をお願いしていますが、重要なお取引先様にはCSR活動のセルフアセスメントにご協力いただくなど、なお一層のCSR調達活動の推進に努めています。

 

マネジメント・体制・制度

 マクセルグループは、サプライチェーン全体で社会的責任を果たしていくために、「CSR調達」についてグループ全体で連携し活動しています。目標・活動計画は、本社調達SCM本部を事務局に、全事業本部及びグループ会社の調達部門メンバーからなるグループ横断の「調達リスク管理委員会」が協議し、グループ全体に周知・徹底を行い実行しています。

調達リスク管理委員会

マクセル調達SCM本部
エナジー事業本部調達部門
機能性部材料事業本部調達部門
光学・システム事業本部調達部門
マクセルフロンティア調達部門
マクセルイズミ調達部門
マクセルクレハ調達部門
宇部マクセル京都調達部門

CSRセルフアセスメント

 マクセルグループサプライチェーンCSR調達ガイドラインの遵守状況について、2019年度より日本国内の重要なお取引先様に対して、CSRセルフアセスメント質問票で確認し、現状把握と改善に取り組んでいます。
 CSRセルフアセスメントは、RBA (Responsible Business Alliance) の現場監査基準に基づいてマクセル独自に策定した質問票
(SAQ:Self-Assessment Questionnaire*) を用いて、重要サプライヤー(直接材:調達額80%及び代替調達の効かない部品サプライヤー、間接材:設備関連サプライヤー)を対象としています。なお、この取り組みは、3年サイクルで進めており、2022年度からは、直接材の重要サプライヤーに設備関連サプライヤーを加えて対象を拡大しています。
 SAQ評価の結果、評価ランクがDグレードと判定された場合は訪問調査と改善活動支援を行い、Cグレードと判定された場合は改善計画を書面で回答いただき継続フォローすることで改善活動につなげています。
*SAQの自己評価項目:「労働」、「安全衛生」、「環境」、「倫理」、「品質・情報セキュリティ」、「マネジメントシステム」

セルフアセスメント評価ランク
グレード / 評価点 / 説明
A
85%以上
・CSR調達ガイドラインの要求レベルの行動ができている。
・改善が必要な項目は自主的改善が可能。
B
65~84%
・CSR調達ガイドラインの要求レベルで行動ができていない項目があり、改善が必要。
・改善が必要な項目は自主的改善が可能。
C
50~64%
・CSR調達ガイドラインの要求レベルの行動ができていない項目があり、改善が必要。
・改善が必要な項目を改善するための行動計画を作成し、それに基づいた改善状況の確認を行い報告する必要がある。
D
49%以下
・CSR調達ガイドラインの要求レベルの行動ができていない項目があり、改善が必要。
・改善が必要な項目を改善するための行動計画を作成し、それに基づいた改善状況の確認を行う必要がある。その改善状況は監査されるべきである。

目標

2027年度までに対象サプライヤーをBグレード以上にする

実績

CSRセルフアセスメント結果

 2023年度は3年計画の2年目にあたり、280社(直接材:240社、設備関連:40社)から回答をいただきました。一次サプライヤーが商社の場合には二次サプライヤーにもお願いし、回答をいただいています。評価結果について、Dグレードは該当なし、Cグレードは4%(10社)(直接材:6社、設備関連:4社)あり、改善計画を継続フォローしています。

セルフアセスメント結果一覧
中間目標 2027年度までにBグレード以上にする
対象 直接材サプライヤー
  3年サイクル   1巡目
  2019年度 2020年度 2021年度 3年実績計
社数 255社 100% 357社 100% 206社 100% 818社 100%
A 89社 35% 218社 61% 134社 65% 441社 54%
B 151社 59% 103社 29% 62社 30% 316社 39%
C 15社 6% 36社 10% 10社 5% 61社 7%
D 0社 0% 0社 0% 0社 0% 0社 0%
 Aグレード(85%以上)、Bグレード(65-84%)、Cグレード(50-64%)、Dグレード(49%以下)

 

対象 直接材及び設備関連サプライヤー
  3年サイクル   2巡目
  2022年度 2023年度 2024年度 3年実績計
社数 432社(直接材347社/設備85社) 100% 280社(直接材240社/設備40社) 100% 299社
(計画)
1011社
(計画)
A 255社(直接材219社/設備36社) 59%(直接材63%/設備42%) 159社(直接材141社/設備18社) 57%(直接材59%/設備45%) - -
B 147社(直接材110社/設備37社) 34%(直接材32%/設備44%) 111社(直接材93社/設備18社) 40%(直接材39%/設備45%) - -
C 30社(直接材18社/設備12社) 7%(直接材5%/設備14%) 10社(直接材6社/設備4社) 4%(直接材3%/設備10%) - -
D 0社 0% 0社 0% - -
 Aグレード(85%以上)、Bグレード(65-84%)、Cグレード(50-64%)、Dグレード(49%以下)

(24年9月時点の計画)

責任ある鉱物調達の推進

 マクセルでは、紛争鉱物等を含んだ部材を調達することによって同地域の武装集団の活動を助長することが無いように、責任ある調達活動に取り組んでいくことを方針として掲げています。紛争地域や反社会的・非人道的行為の疑われる地域から産出される錫、タンタル、タングステン、金、コバルトなどを高リスク鉱物と特定し、これらに対するデューデリジェンスを「OECD紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデューデリジェンス・ガイダンス」に沿って調査を実行、継続しています。