紛争地域および高リスク地域からの鉱物調達においては、採掘や取引を通じて紛争の資金源にならない、あるいは人権侵害や児童労働等に関与しない責任ある対応が求められています。マクセルグループ製品に関係ある鉱物として、プリント基板に使用するはんだに含まれるスズ、コンデンサに含まれるタンタル、超硬材料に含まれるタングステン、電子部品のリードフレームに使用される金、リチウムイオン電池の電極に含まれるコバルトなどがあります。

基本方針

マクセルは「マクセルグループ行動規範」において人権尊重を掲げ、企業の社会的責任に留意した調達を推進し、児童労働・強制労働を行っている企業からの調達は行わないことを定めています。さらに、「サプライチェーンCSR調達ガイドライン」では責任ある鉱物調達のため「人権等の社会問題を引き起こす原因となりうる鉱物を購入しない」ことを規定し、当社製品のサプライチェーンを通じてガイドライン遵守を要請しています。

OECDガイダンスに従った取り組み

マクセルでは、紛争地域や反社会的・非人道的行為の疑われる地域から産出されるスズ、タンタル、タングステン、金、コバルトなどを高リスク鉱物として、これらに対するデューデリジェンスを「OECD 紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス(仮訳)*」に沿って実施しています。
* OECD Due Diligence Guidance for Responsible Supply Chains of Minerals from Conflict-Affected and High-Risk Areas
(参考)外務省:OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのための
デュー・ディリジェンス・ガイダンス(仮訳)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/csr/pdfs/oecd_ddg_jp.pdf

責任ある鉱物調達の推進

高リスク鉱物の使用状況調査と結果

基本方針に基づき、CSR調達ガイドラインのSAQを用いて2020年度より3年計画で全社材料サプライヤー818社に自己評価を実施しました。その結果、以下を確認できました。
・児童労働、強制労働について、サプライヤーのSAQの結果からその事実がないことを確認しました。
・高リスク鉱物を調達しているサプライヤー603社に対しては、責任ある鉱物調達活動についての質問を実施しています。そのなかで「紛争フリー調達の方針が開示されており、それを合理的に担保するためのプログラムが文書化され、継続的に実施されている」と回答して頂けた優良サプライヤー比率は約7割(414社)でした。残り約3割のサプライヤーは活動がまだ不十分と見受けられましたので、このサプライヤーには毎年調査を実施し、紛争フリー調達の方針制定と方針開示は23年度末までに完了することを目標にエナジー事業本部を中心にサプライヤーと一緒になって責任ある鉱物調達活動に取り組んでいきます。

 また並行して、関連サプライヤーに高リスク鉱物の原産国や製錬所の調査(業界標準のRMI※1紛争鉱物対応テンプレート(CMRT※2、EMRT※3)を使用)を依頼し、リスクの特定と評価を行っています。
 2022年度のエナジー事業本部小野事業所における適合製錬所の調査結果は下表の通りです。2022年度は、問題のある製錬所からの鉱物を使用した実績はありませんでした。実績集計はこの事業所のみで取り組んできましたが、今後はその他の事業所も含めた実績集計となるよう拡充に取り組んでいきます。

適合製錬所 調査結果 RMI RMAP