世界最小*1 小型・低背、高速・高精度を実現した
ピエゾアクチュエータ搭載マイクロカメラレンズユニットを開発
2009年9月17日
日立マクセル株式会社(執行役社長:角田 義人)は、駆動部にピエゾアクチュエータを搭載することにより、小型・低背、高速・高精度を実現した世界最小*1マイクロカメラレンズユニットを開発しました。
本レンズユニットは、駆動部とレンズが一体で動く独自の構造となっているため高速駆動が可能となるほか、マクセルの特長である、レンズの小型・低背化技術と複合させることにより、今後カメラモジュールサイズを大幅に小型化することができます。マクセルの子会社であるマクセルファインテック株式会社(代表取締役:千歳 喜弘)を通じて、本ピエゾアクチュエータを応用したレンズユニットを順次製造、販売する計画です。
携帯電話に搭載されるカメラの高画素化に伴い、オートフォーカス機構にアクチュエータを搭載したカメラモジュールが幅広く使われていますが、SMIA規格*2に対応しやすいことなどから、現在のアクチュエータはVCM*3が主流となっています。一方、モバイル機器に搭載されるカメラの高画素化、動画化、高機能化はさらに進んでおり、小型・低背で高精度駆動が可能であるとともに、低騒音なピエゾアクチュエータの需要が高まっています。
ピエゾアクチュエータは、圧電素子(ピエゾ)に電圧を印加することで変位が発生する、いわゆる逆圧電効果を利用した駆動装置です。小型で高精度駆動が可能であるほか、圧電素子を積層することで変位量が大きくでき低消費電力化に優れているため、携帯電話等の小型カメラモジュール用として有効なデバイスです。またVCMはレンズ外周にマグネットやコイル等が配置される構造となっているため、レンズ径に合わせて駆動部を開発する必要があり、高画素化でレンズ径が増しながら小型化を求められると十分な性能が確保しにくいのに対して、ピエゾアクチュエータは、小型で十分な駆動能力が得られレンズ径に拘束されることなく配置できるため、開発効率と性能の向上を両立できるものと考えられます。
今回開発したピエゾアクチュエータ搭載マイクロカメラレンズユニットは、レンズの高画素対応設計に配慮しつつ、SMIA規格に対応するためにさらなる小型化を企図したもので、駆動部とレンズが一体で動く独自の構造を開発、採用しました。このため筐体内部の空間を有効活用するように駆動部を配置することが可能となり、従来容積比で約20%減*4となる大幅な小型化を実現しました。また、駆動部の組み立て誤差などで発生する機械的傾きを低減できるため、レンズの光学特性を損なわずにモジュールを組み立てることが可能となり、生産性の向上が期待できます。なお、本ピエゾアクチュエータに関する技術について23件の特許出願を行っています。
今後ともマクセルグループでは、小型高画素レンズユニット、ズーム機構付レンズユニット、監視・セキュリティ用光学ユニットなど、様々な側面から技術開発に取り組み、重点強化3事業の一つである光学部品事業をさらに拡大していきます。
- *1 2009年9月現在。マイクロカメラレンズユニットにおいて。(マクセル調べ)
- *2 SMIA(Standard Mobile Imaging Architecture)規格:2004年に創設された超小型カメラモジュールのオープン規格。
- *3 VCM(Voice Coil Motor):磁界中のコイルに電流を流すことで発生する力を利用した駆動装置。
- *4 VCMを搭載したマイクロカメラレンズユニットの業界標準比。(マクセル調べ)
主な特長
- ピエゾアクチュエータ採用により、小型・低背化、低消費電力化を実現
圧電素子が小型で十分な駆動特性が得られる圧電素子(ピエゾ)を採用したほか、筐体内部の空間を有効活用した配置にすることが可能となったことにより、SMIA規格*2に対応できる小型・低背構造を実現しました。例えば5Mピクセルのカメラモジュールを構成する場合、レンズバレル径6mm相当品で、縦7.5mm×横7.5mm*5を実現できます。
また、従来のVCM*3を採用した場合のカメラモジュールに比べて、約50%の低消費電力化*6を達成しました。
- 駆動部とレンズが一体で動く独自の構造により、高速駆動を実現
レンズと一体で動く独自の構造を開発、採用したことにより、高精度かつ従来比約1.5倍*7の高速での駆動を実現しました。特にレンズバレルとシャフトを2点で支えることで駆動軸を剛体化し振動力学的に共振周波数が高くなったことで高速駆動を可能としたほか、変位量の周波数特性が安定化したため駆動周波数の選択自由度が増し、高精度駆動を実現しました。さらに、組み立て工程の際に生じる機械的傾きを軽減できるため、レンズの光学特性劣化(光軸のズレ)を抑えることができます。
- 顧客用途に対応した2タイプのユニット構造
小型化を重視した「オールインワンタイプ」、用途に応じてレンズを自由に選択することのできる「セパレートタイプ」と2つのユニット構造を開発しました。
- *2 SMIA(Standard Mobile Imaging Architecture)規格:2004年に創設された超小型カメラモジュールのオープン規格。
- *3 VCM(Voice Coil Motor):磁界中のコイルに電流を流すことで発生する力を利用した駆動装置。
- *5 カメラモジュールのサイズはレンズ、アクチュエータ以外にセンサーおよび実装エリアの条件によって決まります。
- *6 VCMを搭載したマイクロカメラレンズユニットの業界標準比。(マクセル調べ)
- *7 VCMを搭載したマイクロカメラレンズユニットの業界標準比。(マクセル調べ)
<VCM方式との比較>
| アクチュエータ |
小型化 |
消費電力 |
高速駆動 |
重量負荷 |
精度 |
低騒音化 |
| ピエゾ(マクセル) |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
| VCM |
○ |
× |
◎ |
× |
○ |
△ |
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